インプラント

恐怖の山姥(1)

あり得ない歯並びの謎

もう一つインプラントに関係なさそうな話をさせていただきたい。

小学校の頃、旧友に連れられて山姥(やまんば)を見に行ったことがある。もちろん一時流行った「ヤマンバギャル」というやつではなく、本物の山姥である。当時は本気でそう信じていた。もちろん、山姥といっても妖怪ではなく、近所の山の洞窟をねぐらにしている浮浪者の女性だったのだと思う。半信半疑で友達についていった私は「本物」の山姥を目の当たりにして、恐怖のあまり卒倒しそうになった。とりわけ怖かったのが歯だった。恐ろしく歯並びが悪い。悪いどころじゃない、中には他の歯の倍(歯茎から上だけの話)ほども長い歯があったりして、友達はそれをみて「あれが山姥の証拠」だと私にささやいたし、私も納得してしまったものだ。だって、あんな歯並びをしているのは、私の知る限り、日本の昔話の山姥か西洋の昔話の魔女ぐらいなものなのだから。

今でも山姥というとその女性の姿を思い出してしまう。そして、いつも思いは歯に向かう。「なんであんなあり得ないような歯並びになってしまったのだろう」と。